今の住宅をより住みやすい住宅にするためにおこなわれる住宅リフォーム。
住宅が古くなってしまい問題が生じてきてしまっている場合はもちろんですが、より生活しやすい環境を整えるためにリフォームをおこなう人も増えてきています。
そんな住宅のリフォームですが、小規模なものでも十数万円以上、大規模なものだと百万円以上費用がかかってしまうことも珍しいことではありません。
そのため、リフォームの必要性を感じてはいるものの、なかなか着手できずにいるという方も多いのではないでしょうか?
そんな方にぜひ利用してほしいのが、住宅リフォームに関する補助金や優遇制度について。
実は住宅のリフォームには補助金が出ている場合も多く、条件を満たせば補助金を受け取ることが可能です。
また、減税制度などの優遇制度も設けられています。
そこでこの記事では、住宅リフォームに関する補助金制度や優遇制度について詳しく解説していきたいと思います。
条件を満たしている場合、数万〜数十万円単位で補助金を受け取ることができたり、減税できたりするので、これからリフォームを実施していきたいと考えている方はぜひ参考にしてみてください。
目次
住宅リフォームの補助金制度とは
まず初めに、住宅リフォームの補助金制度がどういった制度なのかについて解説していきたいと思います。
住宅リフォームの補助金制度は、その名の通り住宅のリフォームをおこなう際に受け取ることができる補助金制度です。
ひとくちに補助金制度と言っても対象となるリフォームの種類はさまざまで、補助金を受け取るには所定の条件を満たす必要があります。
また、これらの補助金制度はリフォームをおこなったからと言って自動的に適用されるようなものではなく、申請などの手続きが必要になります。
そのため、補助金制度を利用して補助金を受け取りたいのであれば、事前にどういったリフォーム工事が補助金の受取の対象になるのかをよく確認しておくようにしてください。
なぜ個人の住宅リフォームに補助金が出されているのか
住宅リフォームには補助金制度や優遇制度が設けられていると解説してきましたが、なぜ個人の住宅に対して国が予算を割いてまで補助金を出したり減税したりして優遇しているのでしょうか?
それは、国が建物の質の向上を目指しているからです。
個人宅の住宅のリフォームに対して補助金を出したり減税したりする場合、国がお金を出さなくていけません。
そのため、住宅リフォームに対する補助金制度や優遇制度は、一見するとただ国の支出が増えるだけの制度に見えてしまいがちです。
しかし、補助金制度や優遇制度の対象となっている住宅のリフォームは、住宅のエコ性能を向上させたり、耐震機能を強化させたり、バリアフリー機能を向上させるなど、いずれも後々国のためになっていくようなものばかりです。
今世界ではエコの流れが急速に進んでいますが、補助金制度や優遇制度を利用してエコな住宅が増えれば増えるほど、日本はエコに関しての意識が高い国として認識されるようになります。
また、日本は地震が多い国で、大地震が起こるたびに多額の損失を出してしまうわけですが、耐震性能に優れた住宅が増えることで地震の際の損失額の軽減が見込めるようになります。
バリアフリーに関するリフォームも同じです。
バリアフリーの住宅が増えれば住宅内でのケガが減るため保険料の軽減が見込めますし、住宅に住むことができるようになることで介護施設を利用するお年寄りの数が減り、介護保険料の削減にもつなげることができます。
つまり、一見すると支出が増えているだけに見えますが、長い目で見れば国の財政負担の軽減につながるというわけです。
そのため、国が予算を出し、住宅のリフォームをおこなう人が増えるよう後押ししているわけですね。
補助金の対象となる3つのリフォーム
住宅のリフォームをおこなう際に利用するべき補助金ですが、全てのリフォームが補助金の対象になるわけではありません。
対象になる可能性のあるリフォームは、
- 省エネに関するもの
- 耐震に関するもの
- バリアフリーに関するもの
の3種類です。
住宅リフォームに関する補助金は国からだけでなく各自治体からも出ているため、自治体によっては上記以外のリフォームに対しても補助金が出る場合もありますが、国から出る補助金の対象として上記の3種類が対象となっていると考えておいてください。
では、それぞれのリフォームと補助金について詳しくみていきましょう。
1.省エネに関するリフォーム
補助金の対象となる住宅リフォームの1つ目が、省エネに関するリフォームです。
省エネに関する住宅リフォームで受け取れる補助金としては、以下のようなものがあげられます。
【補助金制度 受け取れる金額】
省エネ改修補助金 最大で120万円
長期優良リフォーム補助金 最大で300万円
エネファーム補助設置 最大で12万円
省エネ改修補助金というのは、住宅の壁面に断熱材を入れたり断熱性の高い窓に変えるなどして、住宅内の気温を快適保つようにする場合に受け取れるタイプの補助金です。
住宅内の気温を快適に保つことができればエアコンやヒーターの使用頻度を下げたり運転の強度を上げずに済むため、省エネにつながるというわけです。
長期優良リフォーム補助金は、耐久性が高くて地震に強く、なおかつ省エネ性能が高い住宅にリフォームする際に受け取ることができるタイプの補助金です。
住宅の基礎となる部分を強化して耐震性を強化しつつ、断熱性を高めるなどして省エネ性能を向上させるようなリフォームをおこなう場合、補助金の対象となります。
長期優良リフォーム補助金は受け取れる金額が大きくなっていますが、両方のリフォームをおこなわないといけないという決まりがあります。
エネファーム補助設置は、その名の通り、エネファームを設置する際に受け取ることができるタイプの補助金です。
エネファームというのは家庭用の燃料電池システムのことで、エネファームを設置すると住宅で電気がある程度まかなえるようになるため、エコを推進できるようになります。
補助金額はそこまで大きくありませんが、エネファームの設置を考えているのであれば、ぜひ活用するべき補助金だと言えます。
2. 耐震に関するリフォーム
補助金の対象となる住宅リフォームの2つ目が、耐震に関するリフォームです。
耐震に関するリフォームで国から受け取れる補助金としては、先ほども紹介した長期優良リフォーム補助金制度があります。
また、各自治体によって耐震診断をおこなう際の費用や耐震のための補強工事の費用を一部補助してもらえたりもします。
最近は大きな地震が多くなっているので、住宅の耐震性を向上させつつ補助金も受け取れるとなれば、これほどありがたいことはありませんよね?
ただ、耐震に関するリフォームは対象となる住宅が決まっていて、現在の耐震級順が制定される前である昭和56年以前に建てられた住宅のみが対象となります。
そのため、誰でも利用できるタイプの補助金ではないということを理解しておいてください。
3. バリアフリーに関するリフォーム
補助金の対象となる住宅リフォームの3つ目が、バリアフリーに関するリフォームです。
バリアフリーに関する補助金は、介護保険制度や各自治体の補助金制度によってまかなわれます。
例えば、高齢な方が住宅の階段を上り下りするときやトイレやお風呂に入る際に使用する手すりの設置費用などを補助してもらうことが可能です。
また、床の段差をなくし、高齢な方が躓くことなく歩けるようにするリフォームなども対象となります。
ただ、バリアフリーに関するリフォームで補助金を受ける場合にも条件があり、高齢者向けのリフォームは65歳以上の方がいる世帯が対象となります。
また、障害者向けのリフォームについては、障害の程度が1〜3級の方がいる住宅が対象です。
リフォームには減税などの優遇制度も
ここまで住宅のリフォームをおこなう際に受け取ることができる補助金制度について詳しく解説してきましたが、住宅リフォームをお得におこなう方法として利用できるのは補助金制度だけではありません。
税金を節約できるようになるリフォーム減税も、住宅のリフォームをお得におこないたいときに利用するべき制度の一つです。
住宅リフォームで利用できる減税制度としては、以下のようなものがあげられます。
【減税の種類 減税額】
住宅ローン減税 最大400万円
省エネ減税 最大62,5万円
耐震減税 最大62,5万円
バリアフリー減税 最大25万円
住宅ローン減税は、住宅ローンの年末残高の1%を10年間にわたり所得税から控除してくれるタイプの減税制度です。
省エネ減税は、先ほど紹介したような省エネにつながる住宅のリフォームをおこなった場合、所得税が控除されるタイプの減税制度です。
バリアフリー減税も、同じように所得税が減税されるタイプの減税制度になります。
また、耐震減税は、所得税と固定資産税が減税の対象となるタイプの減税制度となっています。
このようにさまざまな減税制度があるので、補助金と合わせて積極的に活用していくようにしましょう。
まとめ
住宅のリフォームをおこなう際に活用することができる、補助金制度や減税などの優遇制度について詳しく解説してきました。
今回紹介してきたように、住宅リフォームにはさまざまな補助金制度や優遇制度が設けられています。
「条件を満たしていること」という制限があるとはいえ、住宅のリフォームをおこなうのであれば利用しない手はありません。
多少面倒な手続きをおこなう必要がありますが、それで数万円〜数十万円受け取ることができたり減税されるのであれば、かなりお得な制度と言えますよね?
ただ、こういった補助金の制度や優遇制度についてリフォーム業者や自治体の方が勧めてくれることはありません。
そのため、それぞれの制度について事前によく理解しておいて、自発的に申し込みをおこなう必要があります。
ですので、これからリフォームを実施していく予定の方は今回紹介させていただいた内容を参考に、リフォーム会社の担当者や自治体の方に補助金制度や優遇制度について問い合わせてみるようにしましょう。
そうすることで、よりお得に住宅のリフォームがおこなえるようになりますよ。