リフォームとリノベーションの違いは?メリットとデメリットについて

2020.02.28

住宅のリフォームとリノベーション。

どちらも住宅を今よりも住みやすくするためにおこなわれるものですが、リフォームとリノベーションにはどういった違いがあるのかご存知でしょうか?

リフォームと言えば昔から人気があり最近ではますます実施する人も増えてきていますが、リノベーションの方の人気も高まってきています。
もしあなたが住宅の修繕や改修を検討しているのであればリフォームにするのかリノベーションにするのかを考えるべきですが、それにはリフォームとリノベーションの違いやそれぞれのメリット・デメリットなどについてきちんと理解しておかなくてはいけません。

そこでこの記事では、リフォームとリノベーションについて詳しく解説していきたいと思います。
リフォームとリノベーションの違いについてはもちろん、それぞれのメリットやデメリットについてもわかりやすく解説していくので、これからおこないたいと考えている住宅の修繕や改修がどちらに相当するのかについて参考にしながら判断してみてください。

 

リフォームとは

この記事ではリフォームとリノベーションについて詳しく解説していきますが、まずはリフォームについて解説していきたいと思います。

リフォームはリノベーション同様、住宅の修繕や改修をおこなう際におこなわれる工事の一種ですが、どちらかと言えば「修繕」的な工事をおこなうときに使用される言葉となっています。
私たちが生活している住宅は、どれだけ優れた住宅であっても年々劣化していってしまうものです。
住宅に使用されている素材には耐用年数があるため、これについては避けることができません。
住宅の劣化が進むと生活に影響が出てしまったりしますが、劣化した部分の修繕をおこない、元通りの住みやすい住宅の状態に戻すための工事がリフォームです。

例えば、住宅の屋根材が劣化することで起こる雨漏りに対しては雨漏り対策用のリフォームをおこなっていきますし、外壁に塗られている塗料が劣化して見栄えが悪くなったり防水性が低下したときには外壁の再塗装のリフォーム工事をおこなっていきます。
リフォームは、「低下した住宅の機能性や快適性を取り戻すためにおこなう修繕工事」という風に理解しておいてもらえるといいかと思います。

 

リノベーションとは

リフォームは低下してしまった住宅の機能性や快適性を取り戻すためにおこなう修繕工事だと解説してきました。

では、リノベーション工事はどういった工事のことを指すのでしょうか?
リノベーションは、住宅の修繕工事や改修工事のうち、どちらかと言うと改修工事にあたるタイプの工事を指す言葉です。

リノベーション工事では古い住宅などの改修工事を主におこなっていきますが、あれは、古い住宅を改修することでより価値のある住宅に生まれ変わらせ、そのままだと借り手や買い手のつかなかった住宅をより資産価値の高い住宅に作り変えているわけです。
そのため、リノベーション工事をおこなった後の住宅は元の住宅とは全く違う作りやデザインになってしまうことも珍しくありません。
例えば、3LDKの住宅の壁の一部分を撤去してリビングルームを広くしてしまうなどの大規模な改修をおこなったりもします。
そのため、リノベーションは「価値の低い住宅を大幅に改修して住宅の価値を高める工事」という風に認識しておいてもらえればいいかと思います。

 

リフォームとリノベーションの5つの違い

リフォームは「低下した住宅の機能性や快適性を取り戻すためにおこなわれる修繕工事」、リノベーションは「価値の低くなってしまった住宅の価値を高める改修工事」だと解説してきました。

リフォームとリノベーションを大きく分けるとするこういった形で分けることができるわけですが、リフォームとリノベーションの違いはこれだけではありません。

より具体的に違いを分けていくとなると、以下のように分類していくことができます。

リフォーム リノベーション
修繕か改修 修繕 改修
かかる費用 リノベーションに比べると安くすみやすい リフォームに比べると高くなりがち
工事の規模 小規模なものが多い 大規模なものが多い
住宅の価値 新築時より高まることはない 新築時よりも高めることができる
工事をおこなう期間 短い場合が多い 長くなることが多い

 

このように、住宅のリフォーム工事とリノベーション工事とではこれだけの違いが生まれてくるわけですね。

どちらも住宅の修繕するためや改修するためにおこなうタイプの工事ではありますが、全く異なるタイプの工事だということを覚えておきましょう。

 

リフォームのメリット

リフォームとリノベーションは異なるタイプの住宅に対する工事だと解説してきましたが、さまざまな違いがあるため、メリットとデメリットにも違いがあります。
そこでまずは、リフォーム工事のメリットについてみていきたいと思います。

 

1. リノベーションに比べて費用を安く抑えることができる

リフォーム工事は住宅の低下してしまった機能性や快適性を取り戻すためにおこなわれるタイプの工事だと解説してきました。

そのため、小規模な工事になることが多いという特徴がありますが、それにともなって生じるメリットが、かかる費用の安さです。
リノベーション工事では住宅の間取りを変更してしまうこともありますが、リフォーム工事でそういった大規模な工事になることはありません。
そのため、安い工事の場合だと数万円〜十数万円程度で済ませることができてしまいます。
これは住宅の修繕を目的としたリフォーム工事ならではの大きなメリットと言えるでしょう。

 

2. 住み続けながら工事をおこなうことができる

リフォーム工事は工事の規模が小さくて済むと解説してきましたが、それにともなって生じるのが、住み続けながら工事をおこなうことができるというメリットです。

リノベーション工事は大規模な工事になることが多いため、工事がおこなわれている間は基本的に仮の住まいを用意する必要があります。
もちろん実施する工事の内容にもよりますが、リフォーム工事では仮の住まいを用意するほど大規模な工事がおこなわれることはほとんどありません。
工事をおこなっている設備が利用できなくなることはありますが、住み続けることは可能です。
これもリフォームなりの大きなメリットの1つだと言えますね。

 

リフォームのデメリット

住宅の低下してしまった機能性や快適性を補うための工事であるリフォーム工事には目立ったデメリットというものはありません。

ただ、しいてあげるとするならば、住宅の価値を新築のときよりも高めることができないという部分があげられるでしょうか。
リフォーム工事の目的は住宅や住宅の設備の修繕です。
そのため、マイナスになってしまったものをゼロの状態に戻すことはできます。
ただし、リノベーション工事のように、古い住宅を今風の住宅に改修するといったことはできないため、マイナスがプラスになることはありません。
ですので、その住宅の価値が新築時よりも高くなることはないというわけです。

 

リノベーションのメリット

次に、リノベーション工事ならではのメリットについてみていきましょう。

 

1. 住宅を全く異なるものに生まれ変わらせることができる

リノベーション工事のメリットの1つ目は、住宅を全く異なるものに生まれ変わらせることができるというものです。

ここまで解説してきたとおり、リノベーション工事では大規模な住宅の改修をおこなっていきます。
住宅のデザインを変更していくのはもちろん、間取りごと変更するのも珍しいことではありません。
つまり、外からの見た目的には全く同じ住宅に見えたとしても、中身は全く異なる住宅に生まれ変わる可能性が高いということです。
これは住宅の修繕を目的としたリフォーム工事にはないリノベーション工事ならではのメリットだと言えますね。

 

2. 売却するときに高値で売却しやすくなる

リノベーション工事のメリットの2つ目は、売却するときに高値で売却しやすくなるというものです。

リノベーション工事は既存の住宅を全く違うものに生まれ変わらせることができます。
そのため、人気のない間取りを人気の高い間取りに変更したり、古臭くなってしまったデザインを今風のデザインにしたりすることもできます。

これにより資産価値が高まり、高値での売却が実現しやすくなるというわけです。
これもリフォーム工事にはないリノベーション工事ならではのメリットの1つです。

 

リノベーションのデメリット

リノベーション工事のデメリットは、何と言っても費用の高さがあげられます。

おこなう工事の内容にもよりますが、場合によっては間取りごと作り変えてしまうことになるわけですから、リフォーム工事とは比べ物にならないほどの費用が必要になることも少なくありません。
また、大規模な工事になることが多いため、工事期間中は住宅に住めなくなってしまいます。

そのため、工事が終わるまでの間の仮の住まいを探さなくていけなくなるというデメリットもあります。
仮の住まいに住んでいる間は別で家賃が発生してしまうため、やはり金銭的な負担が大きくなってしまいがちな工事だと言えますね。

 

まとめ

住宅の修繕や改修をおこなう際のリフォームとリノベーションについて詳しく解説してきました。

今回紹介してきたように、リフォームとリノベーションは似てはいるものの、大きく分けると異るものでもあります。
リフォーム工事やリノベーションの工事を担当する業者はその違いを理解しているので、リフォームとリノベーションの違いやそれぞれのメリット・デメリットについて知らなくても特に問題はありません。

ただ、理解しておいて損はありませんし、理解していた方がより話をスムーズに進めていけるようになります。
また、工事をおこなう業者の中には、リフォーム工事を得意としている業者とリノベーション工事を得意としている業者とがあるので、リフォーム工事をおこなうときにはリフォーム工事を得意としている業者に依頼する、リノベーション工事をおこなうときはリノベーション工事を得意としている業者に依頼するというように、業者選びの際にも知識を役立てることができます。

ですので、これからリフォーム工事やリノベーション工事をおこなっていくのであれば、今回紹介してきた内容を参考に、業者選びやリフォーム工事・リノベーション工事に取り組んでいくようにしてくださいね。