マイホームを建ててからしばらく経つとさまざまなトラブルがおき始めます。
住宅は少しずつ劣化していってしまうものなので、こういったトラブルを避けることはできません。
住宅に起こるトラブルはさまざまなものがありますが、それらのトラブルの中でも特に発生する可能性が高いのが、「雨漏り」です。
実際に雨漏りが発生してしまった場合、まずは原因を特定することが非常に重要になってきますが、雨漏りはどういったことが原因となって引き起こされるのでしょうか?
そこでこの記事では、雨漏りの原因について詳しく紹介していきたいと思います。
雨漏りを引き起こす主な原因についてわかりやすく解説していくので、雨漏りが発生していて頭を悩ませている方はぜひ参考にしてみてください。
目次
雨漏りを引き起こす原因にはどんなものがあるの?
雨漏りが発生してしまう原因はさまざまですが、大きく分類すると、
- 屋根の劣化
- 外壁のひび割れ
- ベランダ部分の劣化
- コーキングの劣化
の4種類に分類することができます。
そこでまずは、これら4種類の原因候補について詳しくみていきましょう。
1. 屋根の劣化
雨漏りが発生する原因の1つ目が、屋根部分の劣化です。
住宅の屋根に使用される屋根材にはさまざまなものがありますが、長年紫外線や雨、風にさらされていると、どんなに耐久性のある屋根材でも劣化してしまいます。
屋根材が劣化してしまうと防水性能が低下し、水分を通しやすくなってしまうため、そこから雨漏りが発生してしまいます。
また、瓦などいくつも素材を敷き詰めて配置する屋根材の場合、強風や地震などによって屋根材が本来の位置からズレてしまうことがありますが、これも雨漏りが発生する原因の1つです。
屋根材に起こるトラブルとしては、屋根材の浮きや反りといったものもあります。
屋根材が劣化し浮いたり反ったりしてしまうと、そこから雨水が侵入し、雨漏りが発生してしまいます。
また、住宅の劣化症状として代表的なひび割れですが、ひび割れは屋根材にも発生する可能性のある厄介な劣化症状の1つです。
屋根材にひび割れが発生してしまうとそこから雨水が侵入するようになるため、この場合も雨漏りが発生するようになります。
2. 外壁のひび割れ(クラック)
外壁のひび割れも、住宅に雨漏りが発生する代表的な原因の1つです。
住宅の外壁には、外壁材や住宅の内部を紫外線や雨、風から保護するために外壁塗装が施されています。
しかし、外壁塗装の保護効果は永久的なものではありません。
耐用年数は塗料の種類や製品によって異なりますが、短いものだと5年ほど、長いものでも25年ほどしかもちません。
外壁塗装が劣化してしまった場合、外壁材にも劣化の症状が見られるようになりますが、その代表的なものが外壁のひび割れ(クラック)です。
そして、外壁のひび割れが起こるとそこから雨水が侵入し、雨漏りが発生する原因となってしまいます。
1ミリ程度のひび割れや穴ぐらいでは雨漏りが発生するようなことはありませんが、ひび割れの規模が3ミリ以上になってしまうと雨漏りが発生する可能性が一気に高くなります。
3. ベランダ部分の劣化
ベランダ部分の劣化も、住宅に雨漏りが発生する原因の1つです。
雨にさらされやすいベランダの床には防水加工が施されていますが、この防水加工も月日が経つごとに劣化していってしまいます。
ベランダの防水加工としては防水用の塗料の塗布が一般的ですが、塗布した塗料がひび割れや剥がれ、破れといった劣化症状を引き起こしてしまうと、そこから雨漏りが発生するようになります。
また、ベランダには排水口が設けられていますが、排水口が劣化してしまった場合も雨漏りが発生することがあります。
4. コーキング剤の劣化
コーキング剤の劣化も、住宅に雨漏りが発生する原因の1つです。
私たちが生活している住宅は、コーキング剤という特殊な素材を使い、外壁材と外壁材の隙間や屋根材と屋根材の隙間、窓枠の周囲などをコーキングしていきます。
コーキング剤は水を弾くため防水性が高く、雨水などが住宅の内部へと侵入するのを防いでくれます。
そのため、住宅に雨漏りが発生するのを防ぐ上で非常に重要な役割を担っていると言えるわけです。
しかし、このコーキング材も月日が経つにつれ劣化していってしまいます。
コーキング材が劣化するとコーキング材の一部が剥がれ落ちてしまったりするのですが、そこから雨水などが侵入してしまった場合、住宅の内部に雨漏りが発生してしまう原因になる能性があります。
コーキング材は意外と劣化するのが早く、屋根材や外壁塗装のように耐用年数が長いタイプの素材ではありません。
そのため、特に注意しなくてはいけない部分とも言えます。
コーキング材の劣化が原因で雨漏りが発生してしまっている場合は、コーキング材の打ち直しによって雨漏り対策をおこなっていくことになります。
雨漏りの原因の調査は自分でもできる?
雨漏りは住宅内部の劣化を引き起こしてしまいかねないので、できるだけ早い対策が必要になってきます。
そのため、自分で原因を調査しようとする方が結構な割合でいるのですが、雨漏りの原因を自分で調査しようとするのはあまりおすすめできません。
というのも、個人でおこなえる雨漏りの原因調査は限られていますし、知識がないためしっかりと特定することができないからです。
雨漏りの原因や原因となっている箇所をハッキリさせることができないといくら対策をおこなっても意味がないので、原因を調査している間の時間や手間が無駄になってしまう可能性が非常に高いと言えます。
個人でおこなえる雨漏りの原因調査は目視での調査ぐらいですが、知識を持ち合わせていない方が目視で調査しても雨漏りの原因をしっかりと特定することができません。
また、ホースなどを使って散水調査を実施することもできますが、この場合も知識と技術力を充分に持ち合わせていないため、原因の特定にはいたらないでしょう。
むしろ、より住宅内部の劣化を引き起こしてしまう可能性すらあります。
このような理由から、雨漏りの原因を自分で調査しようとするのはおすすめできないので、おこなわないようにするのが無難だと言えます。
雨漏りの原因がわからないときはプロに相談しよう
雨漏りの原因を特定するのは難しく、原因の調査を自分でおこなおうとするのはおすすめできないと解説してきました。
中途半端な対策になってしまわないためにも、雨漏りが発生してしまったら、プロである業者に相談するようにしてください。
当然ですがリフォーム業者などの専門業者は雨漏り対策に関する知識と技術を持ち合わせているのでしっかりとした対策をおこなってくれます。
自分でできる雨漏りの原因となっている部分の確認方法と言えば、先ほども紹介したように目視程度しかありませんが、雨漏り対策のプロである専門業者はさまざまな方法で雨漏りの原因となっている部分を特定していきます。
そして、実施する原因調査は1種類だけではありません。
どういった調査をおこなうかは業者によって異なる場合がありますが、主に以下のような方法で雨漏りの原因となっている部分の調査をおこなっていきます。
【調査方法 費用の目安】
目視調査 無料〜3万円
散水調査 3〜20万円
発光液調査 5〜20万円
赤外線サーモグラフィー調査 5〜30万円
目視調査はその名の通り、目で見て雨漏りの原因となっている箇所を調査する方法です。
業者じゃなくてもできる調査方法ですが、知識のある専門業者がおこなうため、より精度が高くなっています。
目視調査については無料で対応してくれる業者もありますが、調査費用として3万円ほどかかる場合もあります。
散水調査は、外部から水をまいて雨漏りが発生している部分を調査する調査方法です。
ホースや散水機を使い、怪しいと思われる部分に水をまいて調査していきます。
基本的に高額な調査費用がかかることはありませんが、足場を組んで調査する必要がある場合などは費用が高額になってしまうこともあります。
発光液調査は特殊な塗料を使用しておこなう調査方法です。
この調査で使用する発光液は紫外線を当てると発光するようになっているため、水がどのようにして流れていっているのかを調査するのに適しています。
手間がかかる調査であることから、5万円〜20万円程度の費用がかかります。
赤外線サーモグラフィー調査は、赤外線で住宅の壁面などの熱を感知しながらおこなっていく調査方法です。
住宅の壁面の内部は目視して確認することができませんが、赤外線サーモグラフィーを使えば水が流れているところと流れていないところが温度の違いで表示されて明確になるため、より雨漏りの発生源を特定しやすくなっています。
赤外線サーモグラフィー調査でかかる費用は、5〜30万円ほどです。
このように、専門業者はさまざまな方法で調査をおこなっていくため、より確実に雨漏りが発生してしまっている箇所を特定することができるようになっています。
ですので、雨漏りが発生した場合は専門業者に調査と対策を任せるようにしましょう。
まとめ
住宅の雨漏りが引き起こされてしまう原因について詳しく紹介してきました。
今回紹介してきたように、雨漏りが引き起こされる原因にはさまざまなものがあります。
屋根や屋根材の劣化によって屋根部分から発生してしまう雨漏りや、外壁に施されている塗装や外壁材が劣化して外壁がひび割れてしまうことで引き起こされる雨漏り。
ベランダに施されている防水加工の劣化や排水溝の劣化によって引き起こされる雨漏りに、住宅のあらゆるところに実施されているコーキングの劣化によって引き起こされる雨漏りなど、住宅のありとあらゆる部分から発生してしまう可能性があると言えるわけですね。
そんな雨漏りを放置したままになってしまっていると住宅の内部にまで劣化症状があらわれ始めてしまう可能性があるため、早急に対策をおこなわなくてはいけません。
ただ、正しく雨漏りに対する対策をおこなうことはもちろん原因の特定もそう簡単にできるものではないので、実際に雨漏りが発生し始めたら、雨漏り対策のプロである専門業者に対策を依頼するようにしてくださいね。