屋根のリフォームにかかる費用を内容別に解説

2020.03.19

直射日光や雨、雪などから住宅の内部を守ってくれる屋根。

屋根は住宅を劣化させないという点において非常に重要な役割を担っているため、もし少しでも劣化の症状が見られるようであれば、すぐにでもリフォームの実施を検討するべきです。
とはいえ、リフォーム工事は金額的に気軽におこなえるようなものではありませんよね?

どういったリフォームを実施するかにもよりますが、少なくとも数万円、高い場合だと数百万円かかる場合もあります。
それは屋根のリフォームも例外ではありません。
そのため、まずはリフォームにいくらかかるのかを把握することが大切です。
そこでこの記事では、屋根のリフォームにかかる費用について詳しく紹介していきたいと思います。

リフォーム工事の種類別にかかる費用を紹介していくとともに、リフォーム費用を節約するために知っておくべきポイントについても紹介していくので、屋根のリフォームを検討している方はぜひ参考にしてみてください。

 

屋根のリフォームにかかる費用をリフォームの種類別に解説

この記事では屋根のリフォームにかかる費用について紹介していきますが、屋根のリフォームとひとくちに言っても、その方法はさまざまです。

そして、当然ですが、おこなうリフォームの内容によって工事にかかる費用も異なってきます。

そこでここからは、屋根のリフォーム工事にかかる費用を、リフォーム工事の種類別に紹介していきたいと思います。

 

1. 屋根の葺き替え

一部の特殊な形状をした屋根を除き、私たちが生活している住宅の屋根には屋根材と呼ばれる素材が敷き詰められています。

これは住宅の内部を守る屋根の保護を目的として敷き詰められているもので、この屋根材によって雨水の侵入を防ぐことができているわけです。
しかし、常に外部からの影響にさらされているこれらの屋根材は、どうしても徐々に劣化していってしまいます。

そこでおこなわれるのが、屋根材を新しいものに葺き替える屋根の葺き替え工事です。
葺き替え工事では、古い屋根材を撤去してその下の防水層を修繕し、新しい屋根材を設置していきます。
屋根の葺き替え工事は、古い屋根材を撤去して新しいものに変えるため、かなり費用がかかります。
かかる費用は坪数や使用する屋根材によっても異なりますが、80万円〜250万円ほどはかかると考えておいた方がいいでしょう。

屋根の葺き替え工事は、数ある屋根の工事の中でも費用が高い部類の工事となります。

 

2. 屋根の葺き直し

屋根部分の劣化が進み、雨漏りなどが発生してくるようになった場合は屋根のリフォームを検討するべきですが、屋根材は問題なく機能しているものの、屋根材の下の防水層が劣化してしまっている場合があります。

この場合におこなわれるのが、屋根の葺き直し工事です。

先ほど紹介した屋根の葺き替え工事は、既存の屋根材を撤去し新しいものに変更するタイプの工事でしたが、葺き直し工事では、基本的に既存の屋根材を廃棄することはありません。
劣化症状が見られる屋根材があればもちろん新しいものに交換しますが、基本的には既存の屋根材を再利用していきます。
問題のある防水層だけ修繕し、問題のない屋根材はリサイクルしていくわけですね。
そのため、屋根の葺き替え工事よりも費用が安いという特徴があります。
葺き直し工事も住宅の広さなどによって費用が前後しますが、60万円〜200万円ほどに抑えられるようになっています。

大規模な工事にはなるので決して安くはありませんが、既存の屋根材を再利用する分、葺き替え工事よりも安い費用で工事をおこなうことが可能です。

 

3. カバー工法

屋根は屋根材の劣化が進むと雨漏りなどが発生してしまうので、屋根材が劣化した場合は新しい屋根材への葺き替え工事が必要だと解説してきました。

しかし、葺き替え工事は、既存の屋根材を新しい屋根材に変更する分、リフォーム費用が高くなってしまいがちです。
そんな葺き替え工事のデメリットを払拭したのが、このカバー工法というリフォーム方法です。
カバー工法では既存の屋根材の撤去をおこないません。
既存の屋根材の上から新しい屋根材を設置していきます。

そのため、屋根材の撤去費用や変更費用がかからず、高くなってしまいがちな屋根のリフォーム工事をリーズナブルな費用でおこなうことができるようになっています。
リーズナブルと言っても70万円〜150万円ほどの費用はかかりますが、葺き替え工事に比べるとかなり費用を抑えることができていると言えるのではないでしょうか?
カバー工法には、カバー工法をおこなえるタイプの屋根とおこなえないタイプの屋根や屋根材があります。

そのため、どの住宅の屋根に対してもおこなえるというものではありませんが、費用を抑えたい方にとっては非常に魅力的なリフォーム方法だと言えるでしょう。

 

4. 屋根の塗装

屋根材の劣化がそこまでひどくない場合におこなわれるタイプのリフォーム方法が、この屋根の塗装工事です。

先ほどから紹介している屋根の屋根材には、塗料によって塗膜が張られています。
この塗膜によって住宅内部への雨水の侵入を防いでいるわけですが、屋根材同様、塗膜も徐々に劣化していってしまいます。
その際におこなわれるのが屋根の塗装工事というわけです。

屋根の塗装工事では、屋根材を再塗装することで劣化してしまっていた屋根材の塗膜を復活させ、雨漏りの発生などの不具合を防いでいきます。
屋根の塗装工事は屋根材の撤去や変更が必要ないため、リフォームにかかる費用を大幅に節約できるというメリットがあります。
リフォームにかかる費用は屋根の面積や使用する塗料によって前後しますが、安い場合だと30万円程度、高くても60万円程度でおこなうことが可能です。

「屋根材が劣化していない」という条件はあるものの、費用を抑えつつリフォーム工事をおこなっていけるという点で非常に魅力的なリフォーム方法だと言っていいでしょう。

 

5. 防水工事

住宅の屋根の劣化が進んでしまうと雨漏りが発生するようになってきてしまいますが、その際におこなうのが屋根の防水工事です。

ただし、ほとんどの屋根は劣化した屋根材の交換や屋根材への塗装をおこなうことによって防水できるので、この防水工事は、陸屋根や屋根部分が屋上になっているタイプの住宅におこなわれる工事になります。

これらの屋根に対する防水工事の費用は比較的安く、20万円〜40万円ほどでおこなうことができます。

 

6. 漆喰工事

瓦屋根に対しておこなわれる屋根のリフォーム工事が、この漆喰工事です。

漆喰は屋根材の補強などに使用されるものですが、この漆喰部分が劣化してしまうと雨漏りの原因になってしまうので、その場合にもリフォームが必要になります。

漆喰工事もそこまで費用がかかるタイプのリフォーム工事ではないので、30万円〜50万円ほどで済ませることができます。

 

7. 棟板金工事

メジャーな屋根材である化粧スレートや天然スレート。

そんなスレートを固定するために設置されているのが棟板金です。
棟板金が劣化してしまった場合も雨漏りなどが発生するようになるため、棟板金工事が必要になります。

棟板金工事にかかる費用の目安は、5万円〜10万円ほどとなっています。

 

8. 雨樋工事

屋根に落ちた雨水を排水するために設置されている雨樋。

雨樋が劣化してしまうとスムーズに排水できなくなってしまうため、この場合もリフォーム工事をおこなう必要があります。

雨樋工事にかかる費用は1万円〜10万円程度で、そこまで大きな費用がかかるタイプのリフォーム工事ではありません。

 

屋根のリフォームにかかる費用を安く抑えるために知っておきたい2つのポイント

屋根のリフォームにかかる費用を工事の種類別に紹介してきましたが、安い工事であっても結構な費用がかかってしまうということがわかってもらえたかと思います。

そのため、屋根のリフォーム工事をおこなうときには、リフォーム費用を節約することが大切です。
そこで最後に、屋根のリフォーム費用を節約するために知っておくべき2つのポイントについて解説していきたいと思います。

 

1. 複数のリフォーム業者に見積を依頼する

リフォーム費用を安く抑えたいときに必ずおこなうべきなのが、複数のリフォーム業者に見積もりを依頼する「相見積もり」です。

複数のリフォーム業者に見積もりを依頼することで適切な費用を明確にすることができますし、値下げ交渉もおこないやすくなります。
ですので、屋根のリフォーム工事をおこなうときには最低でも3社以上に見積もりを取ってもらうようにしましょう。

 

2. できるだけ早くリフォームをおこなう

リフォーム費用をできるだけ安く抑えたいのであれば、なるべく早くリフォームをおこなうべきです。

リフォームが必要な状態で放置してしまっていると住宅の劣化がどんどん進み、さらに大規模なリフォームが必要になってしまいかねません。
その場合、当然費用も跳ね上がってしまいます。
そうなってしまわないためにも、できるだけ早い段階でリフォームをおこなう必要があるわけです。

本来であれば数十万円で済むリフォーム工事が、長らく放置していたことで数百万円かかるはめになってしまったという事例もあるので、劣化症状が確認できた場合は、放置せずできるだけ早くリフォームに取り組むようにしてください。

 

まとめ

住宅の屋根のリフォームにかかる費用について詳しく紹介してきました。

今回紹介してきたように、屋根のリフォーム費用はどういったリフォーム工事をおこなうかによって大きく異なります。
そのため、屋根のリフォーム工事をおこなうことが決まった場合は、まずリフォーム業者に相談し、どういった工事をおこなう必要があるのかをハッキリさせましょう。
おこなう工事がハッキリしないことには費用の目安も立てられないので、まずはリフォーム業者との面談を早急におこなうべきです。

ただ、基本的に屋根のリフォームは高額になってしまうことが多いので、ある程度費用がかかる前提で話を進めていく必要があると言えるでしょう。
ですので、今回あわせて紹介したリフォーム費用を節約する方法については、ぜひしっかりと実践してみるようにしましょう。

複数のリフォーム業者に見積もりを依頼する相見積もりは多少手間がかかるので面倒ではありますが、実践することで数万円〜数十万円節約できることもあります。
そして、屋根部分の劣化に気付いた場合はできるだけ早くリフォーム工事をおこなうことが何よりも重要になってくるので、できるだけスピード感を持ってリフォームの計画を進めていくようにしてください。