雨漏りはなぜ起こる?住宅の代表的な原因と対策の考え方を徹底解説

2020.02.17

雨漏りはなぜ起こる?住宅の代表的な原因と対策の考え方を徹底解説

家を建ててから年数が経つと、どうしてもさまざまな不具合が出てくるもの。
その中でも特に厄介なのが雨漏りです。
雨漏りは、放置すると家の内部構造を傷めて修繕費が大幅にかさむ可能性も。
では、一体どんなところが原因で雨漏りが発生するのでしょうか?
この記事では、雨漏りの主な原因をわかりやすく解説し、早期対策に役立つ情報をお伝えします。

 

雨漏りを引き起こす代表的な4つの原因

雨漏りの要因は多岐にわたりますが、主に以下の4つに大別されます。

  • 屋根の劣化
  • 外壁のひび割れ
  • ベランダ部分の劣化
  • コーキングの劣化

ここからは、それぞれの原因がどのように雨漏りを引き起こすのか、詳しく見ていきましょう。

1. 屋根の劣化

最も多い雨漏りの原因の一つが屋根周りの劣化
屋根は長年、太陽光や風雨にさらされ続けるため、たとえ耐久性の高い素材であっても少しずつ弱っていきます。

  • 屋根材の浮き反り
  • 瓦のズレ破損
  • 屋根材のひび割れ

こうしたトラブルが生じれば、防水性能が低下し、そこから雨水が浸入してしまう可能性があります。
台風や強風で屋根材がずれてしまったり、地震の振動で瓦に隙間が生じるなど、思わぬタイミングで不具合が発生するケースも。
こまめなチェックが欠かせません。

2. 外壁のひび割れ(クラック)

家の外壁には、外壁塗装を施すことで雨風や紫外線から内部を守っていますが、塗料の耐用年数が尽きると、外壁材も劣化しやすくなります。
その代表的な劣化症状がひび割れ(クラック)です。

  • 1mm未満ほどの小さなヒビならまだ雨漏りリスクは低め
  • しかし、3mmを超える規模のヒビになると、そこから水が浸入し雨漏りを引き起こしやすくなる

見た目上は小さな傷に見えても、放置すると家の内部構造にダメージを与えるので、早めの対処が重要です。

3. ベランダ部分の劣化

ベランダは外部からの雨に直接さらされるため、防水加工が施されています。
しかし、その防水層が経年劣化や損傷によって弱まると、雨水が染み込んでしまうことがあります。

  • 防水塗装の剥がれひび割れ
  • 排水口の詰まり劣化

これらのトラブルが原因で、雨水がベランダ下の室内にまで浸透し、雨漏りを引き起こすことがあります。

4. コーキング剤の劣化

住宅のあらゆる隙間を埋めるために使われるコーキング剤
防水性が高いものの、月日が経つと硬化やひび割れが進み、剥がれ落ちてしまうことも少なくありません。

  • 屋根材や外壁材の継ぎ目
  • 窓枠周り

これらのコーキングが劣化すると、そこから雨水が浸入して雨漏りを招くリスクが高まります。
劣化のサインとしては、コーキングがひび割れていたり剥がれ縮みが見られたりします。

 

雨漏りの原因を自分で調査するのは難しい?

いざ雨漏りが起こったとき、「どこから水が入ってきているのか、自分で探してみよう」という方も多いかもしれません。
しかし、個人が原因を特定するのは難易度が高く、知識や技術がないと間違った部分を修理してしまったり、状況を悪化させる可能性もあります。

  • 目視でのチェック
  • ホースでの散水テスト

これらは一見手軽ですが、建物内部の構造や雨水の流れを熟知していないと、原因特定には至らないことが多いのが実情です。

 

雨漏りが発生したらプロに相談しよう

雨漏りの原因を確実に突き止めるには、専門業者による調査が欠かせません。
専門家は以下のような手段で原因を探ります。

調査方法 費用の目安
目視調査 無料~3万円
散水調査 3~20万円
発光液調査 5~20万円
赤外線サーモグラフィー調査 5~30万円

 

  • 目視調査: 外壁や屋根の状態をプロの目で確認(無料でやってくれる業者もあり)
  • 散水調査: ホースなどを使い、雨漏りが疑われる箇所に水をかけて原因を特定
  • 発光液調査: 紫外線で光る特殊塗料を使い、水の流れをチェック
  • 赤外線サーモグラフィー調査: 温度差を可視化し、雨水の通り道を把握

これらの調査により、より正確な雨漏り箇所と原因を割り出し、適切な対策が可能になります。

 

まとめ

雨漏りは住宅の内部構造に深刻なダメージを与える恐れがあるため、早期の発見と対策が何よりも重要です。
起こりやすい原因は主に以下の4つ:

  1. 屋根の劣化
  2. 外壁のひび割れ
  3. ベランダ部分の劣化
  4. コーキングの劣化

雨漏りの原因を個人で正確に特定するのは難しいため、専門業者に依頼するのが最も確実。
必要に応じて、目視調査散水調査赤外線サーモグラフィー調査などを組み合わせて、原因を徹底的に突き止めましょう。
また、早めに対策を講じることで、二次被害を防ぎ、修繕コストを最小限に抑えることができます。
もし雨漏りが疑われる場合は、まずはプロに相談し、原因解明と対策を進めてください。