住宅の屋根が劣化し始めてきてしまった場合、専門の業者に依頼して屋根のリフォームをおこなうべきです。
屋根は直射日光や雨水から住宅の内部を守るという役割を担っていますが、そんな大切な役割を担っている屋根が劣化してしまっている状態を放置しておくのはおすすめできません。
屋根のリフォーム工事をおこなう場合、陸屋根や住宅の屋根部分が屋上になっているタイプの住宅を除いて、屋根材の修繕や変更をおこなっていきます。
ただ、ひとくちに屋根材と言ってもさまざまな種類があるため、どの屋根材にするのか決めるだけでも大変です。
そこでこの記事では、国内の住宅の屋根に使用される代表的な屋根材の種類について詳しく紹介していきたいと思います。
屋根材の種類を解説しつつ、それぞれの屋根材の特徴について紹介していくので、ぜひ屋根材選びの参考にしてみてください。
目次
国内の住宅に使用される7つの代表的な屋根材とその特徴
国内の住宅にはさまざまな屋根材が使用されています。
それらの屋根材を細かく分類するとかなりの数になりますが、実際に使用されている屋根材のほとんどは以下の7つに分類することができます。
- 瓦
- 化粧スレート
- 天然スレート
- ガルバリウム鋼板
- ジンカリウム鋼板
- アスファルトシングル
- トタン
そのため、実際に屋根のリフォームをおこなっていく場合は、上記の7つの屋根材のなかからいずれかの屋根材を選んでリフォームを進めていくことになるのが一般的です。
それぞれの屋根材がどういった屋根材で、どういった特徴を持っているのかについてみていきましょう。
1. 瓦
日本の住宅の屋根に使用されている代表的な屋根材の1つ目が、瓦です。
昔から日本の住宅に採用されてきた伝統的な屋根材が、この「瓦」です。
ひとくに瓦と言ってもその種類は1種類だけではなくさまざまな種類がありますが、その中でも最も代表的な瓦と言えるのが陶器瓦です。
陶器瓦の主な素材は粘土で、粘土を高温の窯で焼いて整形するため、非常に高い耐久性を誇っています。
また、高いのは耐久性だけでなく、機能性が高い屋根材としても知られています。
瓦は製造の過程で釉薬という薬剤を塗っていきますが、この釉薬により再塗装が不要になるという特徴をもっています。
釉薬は防水の役割を果たす薬剤でもあるので、防水性・耐水性もバッチリです。
加えて、遮音性が高いといったメリットや断熱性が高いと言ったメリットもありますし、仮に破損したり劣化してしまったとしても1枚毎に修繕や交換をおこなえるというメリットもあります。
ただ、素材を作る過程で手間がかかるタイプの素材なので、1平米あたりの単価が7,000円〜12,000円ほどと、若干単価が高いというデメリットがあります。
また、他の屋根材に比べて重さがあるため、実際に施工する場合には住宅の躯体がある程度しっかりとしている必要があります。
2. 化粧スレート
日本の住宅の屋根に使用されている代表的な屋根材の2つ目が、化粧スレートです。
化粧スレートは価格の安さから、今現在日本の住宅の屋根に最も多く採用されている屋根材です。
都市部の住宅で採用されている屋根材は、ほとんどこの化粧スレートだと言っても過言ではないぐらい、広く普及しています。
化粧スレートはコンクリートに繊維を混ぜて作られるタイプの屋根材で、ある程度の耐久性の高さを保ちつつも、瓦などの屋根材に比べて圧倒的に軽いという特徴があります。
耐久性がありながら軽さも備えているので、地震の多い日本の住宅にうってつけの屋根材と言えますね。
また、価格が安いというメリットもあります。
化粧スレートの1平米あたりの単価は、3,000円〜6,000円ほどとかなり安くなっています。
先ほど紹介した瓦タイプの屋根材と比べるとかなり安いのがわかるのではないでしょうか?
また、施工しやすいというメリットもあるため、リフォーム業者を選ばずに施工してもらえるというメリットもあります。
一方で、ある程度の耐久性は備わっているものの決して耐久性が高いわけではなく、ある程度の期間が経過すると劣化してしまうというデメリットがあります。
種類や地域によっての差はありますが、10年を目安に再塗装が必要になる可能性があるということはしっかりと認識しておいた方が良いと言えるでしょう。
3. 天然スレート
日本の住宅の屋根に使用されている代表的な屋根材の3つ目が、天然スレートです。
先ほど紹介した化粧スレートはコンクリートに繊維を混ぜて作られる人工的な素材を使用した屋根材でしたが、天然スレートはその名の通り天然の素材を使用して作られています。
天然スレートには粘板岩という石が素材として使われますが、この粘板岩は非常に高い耐久性を誇ります。
また、耐候性と断熱性が高いという特徴もあります。
ただ、デメリット多い素材でもあります。
まず生産をおこなっているところが少なく、他の屋根材に比べるとそれほど多くは普及していません。
また、天然の素材を使用して作られるということもあって単価が高く、1平米あたりの単価が7,000円〜12,000円ほどとかなり高めになっています。
4. ガルバリウム鋼板
日本の住宅の屋根に使用されている代表的な屋根材の4つ目が、ガルバリウム鋼板です。
ガルバリウム鋼板は現在シェアを大きく伸ばしているタイプの屋根材です。
ガルバリウム鋼板は金属製の屋根材ですが、金属のデメリットを払拭した新しいタイプの屋根材です。
これまで金属製の屋根材には、「サビが発生しやすい」というデメリットがありました。
しかし、ガルバリウム鋼板は、アルミニウム、亜鉛、シリコンを適切な割合で配合することによってサビが発生しにくくなっています。
そのため、メンテナンスの手間と費用を大幅に抑えることができるタイプの屋根材でもあります。
また、単価も安く、1平米あたり5,000円〜8,000円ほどで施工することが可能です。
ただ、それほど厚みがあるタイプの屋根材ではないため遮音性が低いというデメリットがありますし、施工に対応できる業者がそれほど多くないというデメリットもあります。
5. ジンカリウム鋼板
日本の住宅の屋根に使用されている代表的な屋根材の5つ目が、ジンカリウム鋼板です。
ジンカリウム鋼板はガルバリウム鋼板の表面を自然石でコーティングしたタイプの屋根材です。
表面を自然石でコーティングすることにより、ガルバリウム鋼板の「遮音性が低い」というデメリットをカバーしているのが、このジンカリウム鋼板です。
ただし、自然石で表面をコーティングしているため、単価が高くなってしまいがちです。
ジンカリウム鋼板の単価は1平米あたり8,000円〜12,000円ほどとなっています。
6. アスファルトシングル
日本の住宅の屋根に使用されている代表的な屋根材の6つ目が、アスファルトシングルです。
アスファルトシングルはアスファルトが原料となっている屋根材で、海外の住宅で広く採用されているタイプの屋根材となっています。
アスファルトシングルは非常に高機能な屋根材で、防水性、耐候性に優れています。
また、軽い屋根材なので、さまざまな住宅に施工できるというメリットもあります。
ただし、厚みと重さがないため、強風に弱いというデメリットがあります。
1平米あたりの単価は6,000円〜10,000円ほどとなっています。
7. トタン
日本の住宅の屋根に使用されている代表的な屋根材の7つ目が、トタン屋根です。
トタン屋根には価格が安い、施工しやすい、雨漏りしにくいといったメリットがあります。
しかし、見た目が安っぽく見えてしまったり、耐久性が高くないというデメリットがあるため、最近の住宅の屋根にはあまり採用されないタイプの屋根材だと言えます。
トタン屋根の単価は非常に安く、4,000円〜6,000円ほどです。
屋根材選びで迷ったら専門業者に相談するのが一番
国内の住宅の屋根に使用されている7つの代表的な屋根材とそれぞれの屋根材の特徴について紹介してきましたが、実際にどの屋根材を使って屋根のリフォームを進めていくのかを決める場合は、リフォーム業者と相談して決めていくべきです。
というのも、屋根の種類や状態によって使用できない屋根材があったり、使用はできるもののあまりおすすめできない屋根材があったりするからです。
つまり、屋根材には屋根との相性があるということですね。
こういった屋根と屋根材の相性を無視して屋根材を選んでしまうと、その屋根材が持つ強みを上手く発揮できなかったりその屋根材の本来の耐久性よりも耐久性能が劣ってしまうことも考えられます。
そのため、リフォーム業者に相談し、アドバイスをもらいながらどの屋根材にしていくのかを決めるべきと言うわけです。
リフォーム業者はそれぞれの屋根材に関する知識が豊富なのはもちろん、どういった屋根にどういった屋根材が合うのかということも熟知しています。
もちろん「〇〇の屋根材を使いたい」と希望を伝えたり、事前にある程度選択肢を絞っておくことは大切ですが、最終的には専門家にアドバイスしてもらいながら選ぶようにしてくださいね。
まとめ
国内の住宅の屋根に使用される代表的な7つの屋根材について詳しく紹介してきました。
国内の住宅に使用されている屋根材は種類が多く、細かく分けるともっと種類がありますが、今現在主に使用されているのは今回紹介してきた7つの屋根材です。
ですので、この記事で紹介した7つの屋根材について知っていれば基本的には問題ないと言っていいでしょう。
今回紹介してきたように、それぞれの屋根材は異なる特徴を持ち合わせています。
使用されている素材も違えば基本的な性能も違います。
また、耐久性も異なりますし単価も違うので、選ぶ屋根材によって屋根のリフォームにかかる費用が大きく異なることもあります。
ですので、そういった点を意識しながらどの屋根材で屋根のリフォームをおこなうのかを決めていくようにするといいでしょう。
とはいえ、今現在の住宅の屋根によっては選択できない屋根材もあったりするので、最終的な決断はリフォーム業者との打ち合わせで決めるようにしてください。
リフォーム業者は屋根のリフォームのプロなので、豊富な知識やこれまでの経験、施工例をふまえ、あなたの住宅に最適な屋根材を提案してくれるはずですよ。