断熱リフォームの種類やメリット、工事にかかる費用など

2020.03.27

「夏は暑いし、冬は寒くて嫌になる」

こういった不満を住宅に抱いている方は意外と多いのではないでしょうか?

日本は四季がハッキリとしているタイプの国なのである程度の暑さや寒さは仕方ない部分がありますが、住宅の中が極端に暑くなってしまったり寒くなってしまったりするのは少し異常な状態だと考えるべきです。
というのも、住宅の中の気温の上昇や低下が極端になりすぎると、健康面でのリスクも高まってしまうからです。

そこでこの記事では、住宅内の気温の極端な変化を抑制してくれる断熱リフォームについて詳しく紹介していきたいと思います。

断熱リフォームの概要や断熱リフォームをおこなうことで得られるメリット、断熱リフォームの種類や費用など、断熱リフォームについてかなり詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。

 

断熱リフォームとは

断熱リフォームとは、住宅の床下や壁、窓、天井に対しておこなわれるリフォーム工事です。

それらの箇所に断熱材を入れるなどしてリフォーム工事をおこなっていきます。

断熱リフォームをおこなうことで住宅の外と中での極端な寒暖差を軽減することができるようになるため、リフォーム工事の中でも人気の高い工事の1つとなっています。

 

断熱リフォームをすることで得られる3つのメリット

断熱リフォームを実施するかどうかで迷っているのであれば、断熱リフォームをおこなうことで得られるようになるメリットについて確認しておくべきです。

断熱リフォームは実施することでさまざまなメリットが得られるようになるので、断熱リフォームにかかる費用よりもそれらのメリットの方が魅力的なのであれば、断熱リフォームを実施するべきだと言えるでしょう。
断熱リフォームで得られるようになるメリットは主に3つです。

それぞれのメリットについて詳しくみていきましょう。

 

1. 住宅の中の気温を快適な状態に保つことができる

断熱リフォームをおこなうことで得られるようになるメリットの1つ目が、住宅の中の気温を快適な状態に保つことできるようになるというものです。

断熱リフォームは住宅のあらゆる箇所に断熱材を導入していくタイプのリフォーム工事ですが、断熱リフォームをおこなうと、室内の壁面温度の上昇や低下を軽減させることができるようになります。
実はこの室内の壁の表面温度は私たちの体感温度に大きく関係していて、室内の表面温度が高いと住宅の中が暑く感じるようになりますし、室内の表面温度が低いと住宅の中が寒く感じてしまいます。
断熱がしっかりとしていない住宅や断熱の機能が低下してしまっている住宅は、外気の影響が室内の壁に出やすくなってしまっているため、表面温度が上昇しやすかったり低下しやすかったりするわけです。

そういった住宅に断熱リフォームをおこなうと表面温度の上昇や低下をある程度抑制することできるようになるため、より住宅内で快適に生活できるようになります。

 

2. ヒートショックや熱中症を予防できる

断熱リフォームをおこなうことで得られるようになるメリットの2つ目が、ヒートショックや熱中症を予防できるようになるというものです。

ヒートショックという言葉をご存知でしょうか?

ヒートショックとは、激しい気温差が原因となってしまう心疾患や脳血管疾患を指す言葉です。
冬の寒い季節になると、リビングやそれぞれの個室などでは暖房をしっかりときかせるようになるかと思います。
これによりリビングやそれぞれの個室は温かい状態を保てるようになるわけですが、トイレや浴室などの空間は暖房が効かず寒いままです。
そして、リビングなどの温かい空間からトイレや浴室などの寒い空間に移動したときに起きてしまうのが、ヒートショックです。
ヒートショックは特に高齢者に起きてしまいやすい現象で、毎年多くの高齢者がヒートショックによって命を落としています。

そこで最近人気を集めているのが断熱リフォームというわけです。
断熱リフォームをおこなえば住宅内の極端な気温の低下を抑制することができるようになるので、ヒートショックの発生を抑制することができるようになります。

また、真夏の気温の上昇も抑制できるようになるので、熱中症の予防にも効果を発揮してくれます。

 

3. 省エネ効果が得られる

断熱リフォームをおこなうことで得られるようになるメリットの3つ目が、省エネ効果が得られるようになるというものです。

断熱リフォームによって住宅の床下や壁、天井に断熱材を入れると、住宅内の気温の上昇や低下を抑制できると解説してきました。
ある調査では、断熱リフォームを実施することで壁や床の表面温度の低下を7〜8度ほど軽減できるということがわかっています。
つまり、室内での体感温度がまるで異なるため、暖房を強める必要性が薄くなるということです。
暖房を強める必要がないということは、光熱費の節約につなげることができるようになるということにもなります。
また、断熱リフォームをおこなっていない住宅と断熱リフォームを実施した住宅とでは、夏場の室内の気温が4度変わるというデータもあります。

そのため、夏場の光熱費も節約できるようになります。

住宅の大きさや冷暖房の使い方によっては月に1万円ほど節約できることもあるので、長い目で見た場合、かなり大きいメリットだと言えるのではないでしょうか?

 

断熱リフォームの種類

ひとくちに断熱リフォームと言っても、その種類はさまざまです。

そこでここからは、断熱リフォームの種類について解説していきたいと思います。

 

床下の断熱リフォーム

住宅の中で、特に足元の冷えが気になるという方におすすめなのが、この「床下の断熱リフォーム」です。

床下に断熱材を入れることで、フローリングや畳など、足元部分の冷えを抑制することができるようになります。
床下の断熱工事と聞くと、「フローリングや畳を剥がしたりする大掛かりなものになるんじゃないの?」と考えてしまう方も少なくありませんが、基本的に大掛かりな工事にはなりません。
床下の断熱リフォームは床の裏部分から断熱材を入れていくため、わざわざフローリングなどの床材を剥がす必要がありません。

そのため、比較的気軽におこなえるタイプの断熱工事だと言えます。

 

壁の断熱リフォーム

断熱リフォームの中でも比較的大掛かりな工事となるのが、壁の断熱リフォームです。

壁の断熱リフォームには、壁の内側に対しておこなう工事と外壁に対しておこなう工事とがあります。
壁の内側に対しておこなう断熱リフォームでは、一旦住宅内のクロスや壁材を剥がし、壁の中に断熱材を充填していきます。
一方、外壁に対して断熱リフォームをおこなう場合は、断熱効果のある外壁材を外壁に貼り付けていきます。

新しい外壁材を貼り付けるためには既存の外壁材を剥がす必要があるため、この場合も比較的大掛かりな工事となります。

 

窓の断熱リフォーム

断熱リフォームの中で最も小規模な工事で済むのが、この窓に対しておこなうタイプの断熱リフォームです。

外気は窓を通して侵入してくるため、窓が断熱仕様でない場合、外気の影響を大きく受けてしまいやすくなります。
また、住宅内の冷気や暖気も逃げてしまいやすくなるため、省エネ性能も低くなってしまいがちです。

窓の断熱リフォームでは、

  • 内窓の取り付け
  • 複層ガラスへの交換
  • 断熱効果の高いサッシへの交換

などをおこなっていきます。

これらのリフォーム工事により、外気の侵入や住宅内の冷気・暖気が外に逃げてしまうのを防ぐことができるようになります。

 

天井の断熱リフォーム

夏場の住宅内の暑さの軽減に高い効果を発揮してくれるのが、天井の断熱リフォームです。

太陽の日差しが天井に長時間当たっていると住宅内部の気温が上昇しやすくなりますが、天井に断熱材を入れることで日差しの影響を軽減し、住宅内部の気温上昇を食い止めることができるようになります。

もちろん、夏場の暑さだけでなく、冬場の寒さを軽減させることも可能です。

天井の断熱リフォームは、天井裏に人が入って作業できるかどうかで工事が大規模なものになるかや費用が異なってきます。

 

断熱リフォームにかかる費用

実際に断熱リフォームをおこなう場合に気になるのが、費用についてではないでしょうか?

先ほど紹介したように断熱リフォームにはいくつか種類があるため、リフォームにかかる費用は断熱リフォームの種類によって大きくことなります。

それぞれのリフォーム工事にかかる費用の目安は以下の表のとおりです。

リフォームの種類 費用の目安
床下の断熱リフォーム 10万円〜30万円
壁の断熱リフォーム 50万円〜150万円
窓の断熱リフォーム 5万円〜10万円(1ヶ所あたり)
天井の断熱リフォーム  15万円〜30万円

 

それぞれの断熱リフォームにかかる費用を比較してみると、壁の断熱リフォームが一番費用がかかってしまうことがわかるかと思います。
外気の影響は壁に大きく出てしまうため、壁の断熱リフォームは高い効果を発揮してくれますが、費用が高いというデメリットがあります。

一方、その他の部分の断熱リフォームは、壁の断熱リフォームに比べて比較的リーズナブルです。

そのため、まずは安く施工できる部分から断熱リフォームをおこなってみるというやり方もおすすめですよ。

 

まとめ

住宅の断熱リフォームについて詳しく紹介してきました。

今回紹介してきたように、断熱リフォームをおこなえば住宅内の極端な気温の変化を抑制することができますし、より快適な住環境を手に入れることができるようになります。
そして何より、ヒートショックなどの健康的なリスクも軽減させることができるので、高齢者が同居しているような住宅には断熱リフォームをおこなうべきです。

断熱リフォームにはそれなりの費用がかかりますが、一部分だけの断熱リフォームでもそれなりの効果がありますし、断熱リフォームをおこなうことで省エネ効果が得られるようになるので、長い目で見た場合、断熱リフォームにかかるお金よりも省エネ効果で節約できるお金の方が多くなることもあります。
ですので、断熱リフォームを実施するかどうかで悩んでいるのであれば、まずはリフォーム業者に相談してみてください。

そうすることでより詳細なリフォーム費用をハッキリさせることができるはずですし、断熱リフォームについて前向きに話を進めていくことができるようになるはずですよ。