マイホームを建ててからしばらく経つと検討する必要が出てくる外壁塗装。
外壁の塗装はだんだんと劣化していってしまうものですが、劣化した状態でそのまま放置してしまっていると住宅そのものが劣化していってしまうので、そうならないためにも再塗装をおこなう必要があります。
ただ、外壁塗装に用いられる塗料にはさまざまな種類があり、どの塗料で外壁塗装をおこなうのかを決めるだけでもかなり時間がかかってしまうものです。
そこでこの記事では、外壁塗装に用いられる塗料の種類について詳しく解説していきたいと思います。
塗料の種類やそれぞれの塗料の特徴についてはもちろん、外壁塗装に用いる塗料を選ぶときのポイントについても紹介していくので、実際に外壁塗装に用いる塗料を選ぶときの参考になるはずですよ。
目次
外壁塗装に用いられる塗料の種類と特徴
外壁塗装に用いられる塗料の種類はここ数年で一気に増え、さまざまな特徴を持ったものが登場してきています。
外壁塗装に用いられる主な塗料としては8種類ほど種類がありますが、それらの塗料は全て異なる特徴を持っているため、外壁塗装に用いる塗料を選ぶときにはそれぞれの塗料の特徴を把握しておく必要があります。
また、費用や耐用年数などの違いもあるため、これらについても理解しておくことが重要です。
そこでまずは、外壁塗装に用いられる8つの塗料がどういった特徴を持つ塗料で、かかる費用や耐用年数がどれくらいになってくるのかについて解説していきたいと思います。
1. アクリル塗料
現在外壁塗装に使用される塗料の中で最もグレードの低い塗料が、この「アクリル塗料」です。
アクリル塗料は約20年前に登場した最も歴史のある塗料で、一昔前までは外壁塗装に用いられる塗料として定番の塗料の一つでした。
しかし、耐久性が低いということもあり、今ではほとんど使用されることのない塗料です。
一般ユーザー向けの塗料としてホームセンターなどにいけば購入することができますが、外壁塗装などを行っているプロのリフォーム業者などはまず使用しません。
まれにアクリル塗料を使って塗装する業者もありますが、その他の塗料よりも耐久性がグッと低くなってしまうので、よほどの事情がない限り選ぶべきではないでしょう。
塗料による違いはあるものの、アクリル塗料の耐用年数は5〜7年ほどです。
シリコン塗料の耐用年数が12〜15年ほどなので、かなり短いと言えますね。
費用も塗料の種類によって異なりますが、1平米あたり1,000〜1,300円ほどとなっています。
2. ウレタン塗料
現在最も外壁塗装に用いられているのはシリコン塗料ですが、そのシリコン塗料の次に人気があるのが、このウレタン塗料です。
ウレタン塗料は耐用年数が7〜10年ほどありつつも1平米あたりの価格が1,600円〜2,000円ほどと安く、コストパフォーマンスが高いため、人気の高い塗料となっています。
ウレタン塗料は柔らかさのある塗料として知られていて、外壁との密着性が高いという特徴があります。
そのため、施工性が高いというメリットや雨漏りにも強いというメリットを持っています。
ただ、ウレタン塗料のコストパフォーマンスが高いと言われていたのも数年前の話で、アクリル塗料同様、今ではあまり利用されないタイプの塗料です。
昔ながらの塗装業者や小さな塗装業者などでは未だに使用されることもありますが、その数は年々減少していっています。
3. シリコン塗料
現在販売されている8種類の外壁塗装用の塗料の中でも特に人気が高く、圧倒的なシェアを誇るのが、このシリコン塗料です。
塗装業者に外壁塗装を依頼する場合、ほとんどの業者がシリコン塗料での塗装を進めるほど定番の塗料となっています。
シリコン塗料は耐用年数が高く、製品による違いはあるものの、10〜15年ほどは持つタイプの塗料です。
耐用年数が高い割に値段はそこまで高くなく、1平米あたりの価格は2,000円〜3,500円ほどとなっています。
アクリル塗料やウレタン塗料と比べると高くなってしまっていはいるものの、耐用年数から考えると非常にリーズナブルな塗料だと言えるでしょう。
シリコン塗料は耐久性が高いだけでなく、耐水性が高いことでも有名です。
また、汚れにくいといった特徴や色落ちしにくいといった特徴も持ち合わせています。
4. ラジカル塗料
2012年に登場した比較的新しいタイプの塗料でありながら急激にシェアを伸ばしてきているのが、このラジカル塗料です。
ラジカル塗料はこれまで紹介してきたアクリル塗料やウレタン塗料、シリコン塗料に機能性を追加した塗料のことを指します。
住宅を建ててからしばらく時間が経過した場合、外壁を触ると白い粉がつくチョーキングという減少が発生し始めます。
これは住宅の外壁塗装が劣化することで起こる減少の一つです。
ラジカル塗料には、このチョーキングを防ぐ「高耐候酸化チタン」や「光安定剤」といった成分が配合されています。
そのため、10〜15年というシリコン塗料並の耐用年数を誇ります。
平均的な耐用年数はシリコン塗料と同じくらいですが、チョーキングを防ぐ機能が備わっているため、実際はラジカル塗料の方が耐用年数が長くなる傾向にあります。
機能性が高いということもあって、1平米あたりの価格が2,500〜4,000円ほどはと少し高めです。
5. フッ素塗料
今回紹介する外壁塗装用の塗料の中で、最も耐用年数が長いのが、このフッ素塗料です。
フッ素塗料の耐用年数は15〜20年と非常に長く、アクリル塗料の耐用年数の2倍ほどの耐用年数となっています。
ただ、耐用年数が高いということもあって価格も安くはなく、1平米あたり3,000円〜4,500円ほどするものがほとんどです。
フッ素塗料には、紫外線に強いといった特徴や汚れが付着・定着しにくいといった特徴があります。
フッ素塗料はその価格の高さからビルや商業施設の外壁に採用されることがほとんどでしたが、最近になって一般の住宅でも採用されるようになってきました。
とはいえ、まだ一般の住宅に使用されるようになってからの歴史は浅いので、フッ素塗料で外壁塗装をおこなう場合は業者選びが非常に重要になってきます。
6. セラミック塗料
先ほど機能性の高い外壁塗装要の塗料としてラジカル塗料を紹介しましたが、このセラミック塗料もラジカル塗料同様、機能性が高い外壁塗装用の塗料の一つです。
セラミック塗料と聞くと主成分がセラミックかのように感じるかもしれませんが、セラミック塗料はシリコン塗料などにセラミックの成分をプラスした塗料で、セラミックが100%使用されているわけではありません。
セラミック塗料には、断熱効果や遮熱効果、汚れの付着や定着の防止といった機能が備わっています。
非常に機能性の高い塗料である一方、価格はかなり高くなっています。
セラミック塗料の1平米あたりの価格は5,000〜6,000円ほどと割高です。
ただ、耐用年数は10〜15年ほどと長いので、一度施工するとしばらくの間はメンテナンスが必要なくなるというメリットもあります。
7. 無機塗料
この無機塗料も、機能性の高い外壁塗装要の塗料の一つです。
無機塗料は一般的な塗料の主成分である合成樹脂などの配合比率を極力減らし、無機物をメインに配合しているタイプの塗料です。
先ほど住宅の外壁に発生しやすいトラブルの一つとしてチョーキングを紹介しましたが、このチョーキングを発生させる原因となっているのが合成樹脂などの有機物です。
そのため、塗料に含まれる有機物の割合が少ない無機塗料を住宅の外壁塗装に採用した場合、チョーキングなどの劣化症状が発生しにくくなります。
ですので、無機塗料の耐用年数は長く、10〜25年ほどは塗り替えが必要ありません。
ただ機能性が高い分価格も高く、1平米あたり3,500円〜5,000円ほどの費用が必要になります。
8. 光触媒塗料
外壁塗装に用いられる機能性塗料の中でも最も新しい部類に入るのが、この光触媒塗料です。
光触媒塗料には太陽光にあたることで外壁に汚れが付着しにくくなるという性質を持った成分が配合されています。
この成分によって外壁の汚れが浮かされ、雨などによって洗い流されるため、長い間外壁を綺麗に保つことができるという優れものの塗料です。
ただし、塗料の性質上カラーが限定されていて、白系のカラーしか選ぶことができません。
また、太陽光が充分に当たらないと本来の性質を充分に発揮できないというデメリットもあります。
耐用年数は長めで、10〜20年ほど持つタイプの塗料です。
機能性が高いということもあって価格は高めで、1平米あたりの価格は4,000〜5,000円ほどとなっています。
塗料選びは専門家に相談するのがおすすめ
外壁塗装に用いられる塗料について詳しく紹介してきましたが、外壁塗装に用いられる塗料は種類が豊富ですし、それぞれ異なる特徴をもっています。
また、どの塗料を用いるかを選ぶ際には建物自体のチェックも必要になるため、自分で選ぼうとするのはあまりおすすめできません。
どの塗料を採用するかは、塗装のプロである専門家に任せるべきです。
もちろん自分の希望を伝えることは積極的におこなっていくべきですが、専門家に相談しながらの方がより最適な塗料を選びやすくなります。
DIYで外壁塗装をおこなおうと考えている方も少なくないかと思いますが、業者でない一般的な方が購入できる塗料には限りがありますし、正しく塗装をおこなえないリスクや事故につながるリスクもあります。
ですので、外壁塗装は専門家に相談しながら進めるようにしてください。
まとめ
外壁塗装に用いられる塗料の種類とそれぞれの塗料の特徴について詳しく紹介してきました。
よく「塗料選びで迷ったらシリコン塗料を選んでおけば間違いない」と言われたりしますが、それはあくまで一般的な意見でしかありません。
どの塗料を採用するべきかについては、予算や外壁の状態、外壁に使用されている素材、求める耐用年数や機能によって異なるので、一概にシリコン塗料を選ぶべきとは言えません。 ですので、実際に外壁塗装をおこなう際には、専門家に相談しながら選んでいくようにしましょう。
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